黒アワビはなぜ、貝の王様なのか

天然アワビと言えば、黒アワビが有名で、貝の王様と言われています。
それはなぜなのでしょうか？

アワビの種類

日本で一般的にアワビと呼ばれるものは、クロアワビ、エゾアワビ、マダカアワビ、メガイアワビの4種類です。この中で、黒アワビは最高級と言われています。

※トコブシはアワビの小さいものではありません！　身がアワビよりだいぶ柔らかく別物ですので、ご注意下さい。

エゾアワビはその名前のごとく、天然では東北地方以北で多く獲れ、クロアワビの北方系亜種と言われています。つまりエゾアワビの由来はクロアワビです。

マダカアワビは、幻のアワビと言われています。
その理由は、素潜り漁では入手がまず無理な、水深20mより深い岩の周辺にマダカアワビが住んでいるので、漁獲されることなく市場にほとんど出回らないからです。
ですので、王様以前に幻のアワビなのです。

メガイアワビは、一般的には赤アワビと言われ、市場評価ではクロアワビに対し2〜3ランクも評価が低いアワビなので、王様とは呼べません。ただ、和丸水産地元の愛媛では美味しいアワビなのですけどね。

見た目

黒アワビの表面はでこぼこしており、その他のアワビに比べて黒みが強い。
また足の裏が黒っぽく、周りの突起が複雑に枝分かれしている。

味・食感

磯の香りが程よくある。他のアワビより食感や旨みが非常に強い。
刺身で食べると、コリコリ。焼くと程よく弾力があり、モチモチ。
刺身よりも焼いた方が味が濃厚になり、誰でも食べやすい。

希少性

一般的に流通するアワビ（クロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ）の中では最も稀少。
天然の黒アワビは数が激減しており、養殖で黒アワビを育てるのはかなり難しい為、あまり流通していない（病気にかかって死にやすいため）。

特に、アワビのサイズが大きければ大きいほど稀少。
理由は、大きくなるまでに漁師に捕獲されやすいため。
捕獲可能なサイズを各都道府県で定めているが（殻の長さで、概ね10cm程度）、密漁も多く、年々稀少価値が高まっている。

価格

一般的に流通するアワビ（クロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ）の中では最も高価。
浜値（漁師が市場へ卸す価格）でも、１キロあたり１万円を越える場合もある。

市場の価格では、クロアワビはメガイアワビよりも１割程度高い場合もある。

まとめ

上記をまとめると、黒アワビは見た目に風格があり、味はどのアワビよりも美味しく数も少ない。だから値段が高くなり王様なのだと言えます。

黒アワビの表側

黒アワビの裏側

アワビの足の様子。突起が枝分かれしている。

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