愛媛産天然サザエの生態・成分について

天然サザエの生態

名前の由来

　サザエの名前の由来はハッキリしませんが、小家（ささえ）という説や小さな枝（え）をたくさん付けた貝（ささえ）という意味ではないか等の諸説があります。漢字の「栄螺」は当て字で、他にも「拳螺」という字も当てられます。
古くから岩礁にいる、当たり前の貝なので語源は正確には残っていないのが実状です。

また、「姫サザエ」というのはサザエの別種ではなく、若いごく小型のサザエの別名です。可愛いという意味が含まれているのでしょうね。

ちなみに、和丸水産のある三崎地方では、サザエのことを「サゼ」と呼びます。
こちらも語源は不明です。 アワビはそのままアワビと呼んでいますので、言葉とはよく分からないものです。

生息域

　サザエは琉球列島・小笠原を除く北海道南部から九州までの、潮間帯から水深30m程度までの岩礁域に生息しています。
（基本的に北海道にはサザエは生息していません。）

分類

　ゴツゴツと角を生やした物もある円錐形のユニークな姿の巻き貝で、古腹足目・サザエ科に分類され、浅い場所には小型個体の密度が高く、深い場所に大型個体が生息する傾向があります。（物理的に深すぎて、人間が獲りに行けないのでサザエが大きくなるということもあります。）

大きさと成長速度

　日本海のサザエはあまり大きくならず、成長しても殻長10センチほど、太平洋側のものは非常に大きくなり、殻長20センチを超えるものがあり、寿命は7〜8年と言われています。

成長速度は暖かい地域で、1年で殻長40mm（17g）、2年で殻長60mm（60g）、3年で殻長100mm（130g）、4年で210g、5年で300g、6年で380g程度になります。
正確な実験データはありませんので、概算になりますが、大きくなるほど成長が早くなります。

サザエもアワビと同じですが、水の冷たい地域では成長速度が遅くなります。
とは言え、温かくても生息できずに死んでしまいますので、沖縄にはサザエはいません。

雌雄の見分け方

　サザエの雌雄は外見では分からず、殻から身を取り出して生殖巣の色がグリーン系ならメス、クリーム系ならオスです。産卵期は大体7〜9月頃です。

食べ物

　サザエは夜行性で夜になると岩礁を動き回り、アラメやワカメ、ホンダワラなどの海藻を歯舌で削り取って食べます。殻の色は褐色と緑が混ざり合った色をしていますが、これはアワビと同じで食べる海藻によって変わります。
殻の内側はきれいな真珠光沢があるので、貝ボタンなどに加工されます。ただ、独特の形をしていますのでアワビよりは使いにくいですね。

天敵

　幼貝（小さい時）のうちは、「イトマキヒトデ」「イボニシ」「カニ」など。
成貝（大きくなった時）では「クロダイ」「ネコザメ（別名：サザエ割り）」「タコ」「人間」等になります。いつも美味しく頂いており、ありがとうございます。
※上記の理由から、同じ水槽にサザエとタコを入れないで下さいね。食べられてしまいます。

漁獲方法

　刺し網、潜水漁（海女、海士）、見突き漁（船から竿を使って潜らずに獲る。潜水よりも熟練した技を必要としますが、高齢の方でもやられています。ただし、箱めがねを口でくわえるので、歯が弱ってくるそうです。）

サザエの成分

含有物

　たんぱく質、カリウム、ナトリウム、リン、ビタミンＡ、ビタミンＥ、マグネシウム、カルシウム、葉酸、ナイアシン、亜鉛、β-カロテン　など。

含有成分の働き

【コラーゲン】
目や肌、骨や関節の健康に働きかけ、目や肌のトラブルや骨粗しょう症、関節炎を予防する。
また、がんを抑制する作用があるともいわれています。

【ビタミンＡ】
目の健康維持や皮ふ粘膜の形成に作用するとともに、細菌やウイルスから体を守ります。

【β（ベータ）-カロテン】
巻貝のなかではサザエに多く含まれており、抗酸化作用をもつため、老化の防止、免疫力の強化にも有効。

【タウリン】
血圧を調整してコレステロール値を下げ、肝臓を強化する働きなどがあります。

【ミネラル成分】　カリウム、ナトリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等
貧血の防止や滋養の強化に効果的。とくに亜鉛は、味覚障害を予防する働きをもちます。

サザエを食べる！

砂抜きの方法

　サザエの砂抜き方法の紹介です。
和丸水産のサザエは砂抜きが完了していますが、獲れたてを貰ったりした場合は、サザエを 海水（人工海水なら、3％程度の濃度）に入れて、3〜4日置いて下さい。ただ、酸素不足になりがちなので、空気を送るポンプを使わないとサザエが死んでしまう可能性があります。
一般家庭では処理が難しいかと思いますので、ワタの付け根の部分（砂が溜まる箇所）を取り除いて下さい。ちなみに一般的な魚屋さんでは、砂抜きされたサザエが売られています。
まあ、通常すぐには売れないので、水槽にいれておけば勝手に砂抜きされているということです（運送中などでも）。

味・選び方

　味の点ではサザエの大小、角の有無は関係がなく、用途・見せ方によって大きさを使い分けてください。（大きいサザエは迫力がありますよ。圧倒されます。）
もちろん新鮮なものほど良く、触ると蓋をさっと閉じたり、身を引っ込めるのが活きのよいサザエになります。
軽く振って音がしなければ身が詰まっていますのでお得です。

適した料理

　一番簡単で美味しいのは「壺焼き」だと思います（有名すぎますね。）
他、濃厚な味を楽しむには「バターソテー」、うまみを逃がさず味わうには「炊き込みご飯」や「蒸し料理」などが適しています。 また、刺身はコリコリした食感と、磯の香りが楽しめます。ワタの部分はゆでて添えると、特にお酒に合います。サザエにナイフ等を入れにくい場合は、先にさっと茹でると、簡単に入って身がはずせます。
　残念ながらサザエの磯の香りと歯ごたえが苦手という方は、刺身に切ってから熱湯にくぐらせ、冷水に入れ霜降りにすると食べやすくなります。少々淡白にはなりますが。

＞素潜りで丁寧に獲った、天然サザエの販売ページはこちら