アワビの毒性

アワビを食べても、牡蠣の様にノロウイルス等（=貝毒）にあたることはありません。

貝毒とは、牡蠣等の二枚貝が毒素を持った植物プランクトンを食べて、体内に毒が蓄積されてしまう現象を指します。これを食べると、人間は下痢や嘔吐等の様々な症状を発症します。

さらにこの貝毒は、一般家庭で煮たり焼いたりしても死滅しませんし、一時期テレビで話題になった、酢や薬味等も全く効果がありません！　ご注意下さい。

さて、アワビやサザエは巻き貝で二枚貝ではなく、植物プランクトンを食べないので、貝毒に冒されることはありませんので、あたることはありません。

ご安心下さい。

しかし、「猫がアワビを食べると、耳が落ちる」で述べましたが、アワビの中腸腺（いわゆる肝）を人間が食べ過ぎても、光線過敏症を発症する方が極めて稀におられます。
※アワビの身はいくら食べても大丈夫です（そんなにたくさん食べられるものではないですが）。

これを発症するには、アワビの肝（特に2〜5月に獲れた物）を信じられない位食べて（何十個も） 、日光に当る必要があります。食べてから1〜2日で、顔面、手、指に発赤、はれ、疼痛などが引き起こされ、やけどの様な水泡が現れ化膿することもあります。全治には約20日を要しますが、死亡することはありません。

発症が確認されているのは、「明治時代に2件（北海道奥尻島および長崎県壱岐島）」「1947年3月に岩手県気仙郡三陸町で1件（患者数16人）」の記録がある位で、近年では報告がありません。
しかも、全てアワビがたくさん獲れた地域での話ですね。
※現在は昔ほど天然アワビが獲れません。

ですのでアワビの毒に関して、神経質になる必要はありません。
ちなみに、天然アワビが2〜5月に食べる海藻の成分が蓄積された肝を我々が食べることにより光線過敏症が発症しますので、その他の季節には何のリスクもありません。

年中、アワビを美味しくお食べ下さい。

アワビのオス ※中央の白色が肝

アワビのメス　※右下の緑色が肝

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