「天然物のアワビだから、安全で美味しい」　というのは正しいのでしょうか？

　ここでは日本国内で一番多く流通されている「エゾアワビ」で比較しつつ、安全で美味しいアワビの見分け方を検討したいと思います。

　アワビの見分け方は大きく、天然物と養殖物になります。

　天然物のアワビは自然の海で生まれ育ち、コンブ、ワカメ等の海藻を食べ、漁師により捕獲されます。
( ちなみに一般的に言う「あま」では、男を「海士」、女を「海女」と書きます。）

　養殖物のアワビは種苗生産施設で産卵され、ある程度育った後にアワビ養殖業者に買い取られます。

　そこで、各々が持つ技術により、アワビは水槽や海上で育てられ、コンブ、ワカメ等の海藻や配合飼料を食べ、出荷されます。

特徴を以下の表で比較しました。ご覧下さい。

エゾアワビの特徴比較（天然物と養殖物）

いかがでしょうか？

　天然物の鮑が際立っている点は、身の引き締まりによるコリコリ感と値段ですね。

　一方、養殖物では、通常たくさんの栄養ある餌を与えられていますので、天然物よりおいしいことがよくあります。値段も天然物ほどしません。

　天然物・養殖物に関わらず、アワビの安全性・おいしさの決め手は、「品種」「水質等の生育環境」「与えられる餌」になります。

　アワビの安全性の見分け方は、「餌や海水に薬品や化学物質を使用しているかどうか」「海域全体が清浄かどうか」になります。

　それは、利用する海水や餌に汚染物質がありましたら、アワビはそれを取り込んでしまうからです。

　ですので、海域が清浄で、餌や海水に薬品や化学物質を使用していないことが分かれば合格です。

　今では素性の知れない外国産のアワビもたくさん出回っておりますので、ご購入前に漁獲された場所や、養殖の方法・餌等をご確認下さい。

　その内容が不透明な場合は、表に出せない理由があるのかもしれませんのでご注意下さい。

　特にキムチのおいしい某国は国が率先して、海に畜産排水や糞尿を、今でも不法投棄している実態があり、アワビだけではなくサザエ等でも品質の点で度々問題になっています。

　また、アワビのおいしさの見分け方は「品種」「殻色」「餌」「鮮度」になります。

　品種ではエゾアワビ、クロアワビが最高級品種で、その味はアワビ全品種の中で最も美味であり、歯ごたえと濃厚なコクのあるうまみに定評があります。

　通常、赤アワビと呼ばれるメガイアワビは、身が薄くアワビ特有の食感があまり無いので刺身には向いていない等の理由から、プロの料理人の世界ではエゾアワビ、クロアワビに対し2〜3ランクも評価が低くなっています。

　更に、エゾアワビとメガイアワビを掛け合わせた、ハイブリッド品種等も存在しておりますが、若干味は落ちますので市場での価値は幾分か低くなります。

　一般に出回っているアワビはそのような品種の区別をせずに販売される事が非常に多いので気をつけて下さいね。

　そしてアワビの殻色・餌についてですがこちらは密接に関係しており、たくさんの種類の栄養を持つ偏っていない餌をアワビが食べると、殻色が天然色になり本来の味が出ます。

　よって、アワビの殻色が天然色か天然同様の物をお選び下さい。鮮度は高い方が活きがあり、おいしいですね。

　以上から、育成地・餌・品種で大きくアワビの味が異なってきますので、はっきりと出所の分かる物であれば、アワビが天然か養殖かをあまり気にすることなく一度食されてはいかがでしょうか？

アワビだけではなく、養殖物の方がおいしいと言われる海産物もよくありますよ。

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